就職活動を行う人達のうち、第二新卒と呼ばれる世代があります。第二新卒から大手に転職していくケースは常に一定数存在しています。彼ら、彼女らはどういう人達なのでしょうか。
その特長をみていきましょう。
第二新卒で大手に転職できる人に共通する4つの特徴
第二新卒とは、新卒で一度就職した後およそ1年から3年以内に転職を目指す世代のことです。
明確な定義はありませんが、概ね25歳前後の人達を指します。厚生労働省が公開している統計データによると、新卒で就職した人の約3割が3年以内に離職しているとされています。第二新卒の求職者は年々増加傾向にあるのです。
一度入った会社から大手企業への転職を目指す動機には、次のようなものがあります。
- 違う職種にチャレンジしたい
- 大手企業で自分の力を試したい
- キャリアアップをしたい
第二新卒で大手への転職を果たした人達は、皆が向上心をもって転職活動に向かっています。では具体的な共通点や、取り巻く環境などをみていきましょう。
特徴①どんな小さなことでも、自分なりの目標を達成した人
学生時代もしくは新卒で就職した会社において、自分なりの目標を設定し達成した実績を持つ人です。この場合は目標の大小よりも、達成したという事実が重要視される傾向にあります。
仕事を遂行するにあたって、目標設定とそれを達成するための道筋を立てること、そして実行することは非常に重要です。過去に目標を達成したという事実は、そうしたプロセスを経て業務を行うことができる証明になるのです。
学生時代に部活や趣味など、ひとつのことに打ち込んだという経歴が評価されやすいのはこのためです。
特徴②退職理由と転職理由が理に適っている
前職を退職した理由、そして転職を志した理由は重要なポイントです。
大手への転職を果たした人たちの中に、前職がイヤで辞めた人はほとんどいません。多くはやりたい仕事があるという明確な目標や、キャリアアップのためという前向きな理由に基づいています。
そのような理に適った動機は転職への大きな原動力になると同時に、面接官にも良い印象を与えるでしょう。能力の有無などを評価される以前に合否を左右するこの大きなポイントを、転職に成功する人達は押さえているのです。
特徴③大企業では必須?謙虚さ協調性を兼ね備えている
人間性についても共通点がみられます。それは謙虚であること、そして協調性があることです。これらは様々な人間が関わる環境で仕事をする際に必ず必要になってくる資質です。
いかに能力が高くとも態度が不遜であったり、周囲との協調性に欠けていたりする人間は敬遠される傾向にあります。大企業ほどこういった人間性を重視しているものです。
特徴④自己流の転職活動はNG!必ず転職エージェントを利用する
大手への転職を果たした人は必ずといっていいほど転職エージェントのサービスを利用しています。独力、自己流での転職活動には限界があるためです。
大手企業への就職実績のある転職エージェントの利用は必須といっていいでしょう。より多くの求人情報に目を通すことは、自分の可能性を広げることにもつながります。
最近では第二新卒の人に特化した転職エージェントサービスも出てきています。転職エージェントの評判や実際に使った人たちの感想は「ワタシの転職エージェント」で詳しく掲載されています。
大手企業出身だからと行って第二新卒で特別有利になるわけではない
第二新卒での転職を目指す人達にとって、前職が大手企業であるという事実はさほど有利に働きません。
大手企業に採用されたという事実はもちろん一定の評価を受ける、価値のあるものです。しかしそこで成し得た実績という面ではどうでしょう。第二新卒という枠組みであれば勤続年数は3年程度です。
一般的にいって、それほど大きな実績をあげられる年数ではありません。重要なのは過去よりも現在、そして未来です。これからどういう形で仕事にあたるかという意欲、そして先に見据えているビジョンなどを明確にアピールすることが重要です。
景気が良い今なら、中小企業からでも第二新卒で大手に転職できる可能性は充分ある
バブル崩壊後の不景気な時代には、就職も難しい時期がありました。
就職氷河期と呼ばれた1993年から2005年までは特に顕著で、有効求人倍率が1.0を下回っていたのです。しかしここ数年は経済政策のアベノミクス効果で、景気が少しずつ上向いてきたといわれています。
この景気回復は第二新卒で転職を目指す人にも良い方向に作用しています。企業の業績や雇用環境が改善されてきた今、求人の数は増加傾向にあります。それに伴い新卒採用で予定人数を採りきれなかった企業の数が増え、第二新卒に対しても門戸が大きく開かれているのです。
マイナビ転職が企業に対して2016年に行ったある調査では、今後も第二新卒の採用を積極的に行うとする回答が過半数というデータもあり、中小企業からの転職を考えている第二新卒者にとって追い風が吹いていることがわかります。
第二新卒で採用を実施している主な大手企業の一覧
第二新卒の人材を採用することは、企業側にもメリットがあります。
一度は社会人として働いた経験を持つことから基本的なビジネスマナーや常識を身につけた人材を確保できる、中途採用の候補者に比べて若さがあり働き方にクセや偏りが少ないといった点です。
そうしたメリットから、第二新卒での採用を積極的に実施する大手企業は少なくありません。実際に大手企業で第二新卒に門戸を開いているところをいくつかみてみましょう。
- クックパッド株式会社
- サイボウズ株式会社
- 積水ハウス株式会社
- 富士ソフト株式会社
- 株式会社コロプラ
- 株式会社サイバーエージェント
- GMO TECH株式会社
- フクダ電子株式会社
- 日本郵政株式会社
これらはほんの一部に過ぎません。採用の有無や対象の部署などは時期によっても変わる可能性がありますが、名立たる大手企業も第二新卒を対象に募集を行っているのです。
第二新卒で大手へ転職していった人達には、共通して見られる特徴があります。そうした特徴から学びながら転職エージェントを利用することで、大手への転職のチャンスは広がるでしょう。
景気回復の波も第二新卒者にとって大きな助けとなっています。